大学野球が熱戦を繰り広げている。今日から4回にわたり、全国の大学リーグを紹介する。

関西6大学では、昨秋リーグ5連覇を逃した大商大が王座奪還を目指している。その柱となるのが右腕・大西広樹(4年=大商大高)と左腕・橋本侑樹(4年=大垣日大)のプロ注目コンビだ。今季のチームはここまで4戦全勝。大西2勝、橋本1勝と順調に白星を重ねている。日本一とプロ入りが目標と口をそろえる両腕に注目が集まる。

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大商大の絶対的エース大西は最速148キロの直球と制球力が武器で、阪神メッセンジャーのお墨付きの実力だ。3月15日に阪神2軍との交流戦に先発。7球団のスカウトが視察する中、5回を内野安打2本に抑える無失点。1軍メンバーの北條、陽川からは空振り三振を奪い、投げ合った日米100勝右腕から「スピードを変えたり、変化球をまぜて阪神打線を抑えていた。すごくいい仕事をしていたね」と絶賛された。

「我流」でスタイルを作り上げた。目標の選手は設定せず「人のいいところを取り入れる。この人という目標はない」。変化球の軌道は日本ハム金子、足の上げ方は中日松坂、体重移動は阪神藤川を参考にする。負けん気の強さも魅力の1つ。高校時代、甲子園出場経験はなく「イライラしてしまう」とテレビ観戦せず、今でも他リーグ投手の成績を調べることはない。

昨秋はリーグ2位の防御率1・81をマーク。4勝を挙げ、最優秀投手賞とベストナインの2冠を獲得したが、V逸。「勝てる流れを持ってくる投球をしたい。勝ちにこだわりたいです。日本一が目標です」。王者奪還の先には「上でやりたい」とプロの世界を見ている。【望月千草】

◆関西6大学野球 京産大、大商大、神戸学院大、大経大、龍谷大、大院大が属する。連盟創立は1982年。主なOBに平野佳寿(京産大卒・現ダイヤモンドバックス)古野正人(龍谷大卒・元ヤクルト)岡田明丈(大商大卒・現広島)ら。昨秋は京産大が優勝。最多優勝は龍谷大の29回。