セ界左腕対決を制すぞ。広島床田寛樹投手(24)が10日のDeNA戦(マツダスタジアム)に先発する。セ・リーグ投手成績でトップ争いをする左腕今永と2年ぶりの対決。防御率0点台の安定感を誇る相手に投げ勝ち、チームに開幕戦以来の貯金をもたらしたい。

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開幕からローテーションを守り続ける床田が珍しく、対戦打者ではなく、対戦投手の今永の名前を挙げた。「左(投手)で今、一番いい投手。勝てれば自信になると思う。何とかくらいついていきたい」。DeNA今永は今季先発6試合で計46回を投げ、本塁打による5失点しか許していない。防御率0・98はリーグトップトップで、唯一の0点台。抜群の安定感で、広島も4月12日の対戦でわずか1安打0封負けを喫した。ロースコアの勝負となることが予想されるだけに「2点取られたら負け」と表情を引き締めた。

安定感では床田も負けてはいない。防御率では1・55の2位で追い、奪三振も今永のリーグ3位46個に対し、床田も同5位の38個と迫る。勝ち星では床田が4勝で、3勝の今永をリードする。同じ左腕で投手成績で競い合う1学年上の左腕に、自然と対抗心が沸く。

中部学院大時代時代の14年秋、明治神宮大会の準々決勝で駒大の今永と対戦しているが、プロでは“あの日”以来、2度目の対戦となる。左ひじ痛を発症した一昨年4月19日。すでに今季、マツダスタジアムで4度先発し、DeNAとも対戦しているが、当時1安打完封を許した左腕に投げ勝てば、苦い記憶も払拭(ふっしょく)できるに違いない。

開幕時はカード2戦目の先発だったが、4月27日ヤクルト戦からカード初戦を任されるようになった。おのずと各球団主戦投手との対戦が増した。気負いはないが、責任は感じる。「エース級のいい投手からはあまり点を取れない。1戦目を取れれば後ろが楽になる。何とかチームが勝てるように試合をつくれればと思う」。今季先発した6試合でチームは5勝1敗。チームを勝利に導く投球を続ける。12連戦明けの初戦。開幕戦以来の貯金をもたらすため、好投手にも真っ向から挑んでいく。【前原淳】