2年目左腕が勝利を呼び込んだ。今季2度目の先発となった阪神高橋遥人投手(23)が、6回を4安打無失点。1軍の先発では自己最多タイとなる7つの三振を奪う力投でヤクルト打線をねじ伏せた。

ハイライトは6回だ。2安打に抑えていたツバメ打線に1死から捕まり、連打を許して1死一、三塁のピンチ。それでも「気持ちでしっかり投げられた」と、5番雄平を一ゴロ、6番村上を144キロの直球で中飛に打ち取った。

「梅野さんが強気なリードをしてくれた。『思いっきり投げてこい!』とずっと言ってくれていた。それが6回までできたかなと思います」

最速148キロの直球にチェンジアップなどの変化球を低めに集めた。前回登板の5月5日DeNA戦(甲子園)は、インフルエンザを発症した岩貞の代役で緊急先発したが、5回途中8安打5失点(自責点2)で降板。12日ウエスタン・リーグ、オリックス戦(上富田)で7回2安打1失点と好投し、再度つかんだチャンスで結果を残した。

ルーキーの昨年、当時の矢野2軍監督から「真っすぐの質は良いんだから、自信を持って。とにかく腕を振ってどんどん攻めろ。自分が投げる時は、ストライクゾーンを広いと思い込め」とポジティブ思考の助言を受け、ノビノビと腕を振れるようになった。

成長の証を1軍の舞台で見届けた矢野監督は「前回より攻め方が良かった。マウンドに上がるといい意味で変わるピッチャー。向かっていく気持ちも出ていたし、本当に遥人らしいピッチングができていた」と評価。次回についても「状態を確認しながら、またこういうピッチングを期待したい」と話した。

初対戦となったヤクルトの山田哲やバレンティンら強打者から三振を奪った。「テレビで見ている人たちを強気で攻められたことは自信になりました」と手応えをつかんだ。1年ぶりの勝利はお預けになったが、次回は30日の巨人戦が濃厚。G倒の期待が膨らむ。【奥田隼人】