東大・浜田一志監督(54)は「今季も残念ながら勝てなかった。非常に悔しい」と切り出した。創部100周年に「最下位脱出」を掲げたが、10戦全敗。17年秋からは32連敗だ。

勝機は感じさせた。先発の小林大が3回に1点を先制されたが、すぐに反撃。4回、岡が同点打。5回に大音のソロで勝ち越した。今季初の逆転成功で大盛り上がりも、6、8、9回と1点ずつ失い敗れた。

序盤で勝負が決まった開幕当初と比べ、健闘はした。だが、勝てない理由は数字が如実に示す。今季の1試合平均得点は1・6。同失点(8・8)より7点以上のマイナスだ。秋への課題を問われた浜田監督は「投手を鍛え直す。小林は後半、疲れから四球が出た。攻撃陣はトップの姿勢。まだまだ手打ち。回転力で打てるように」と、個々の底上げが不可欠とした。

13年の就任以来、他大学に負けない体作りを進める。13年春からの3季はチーム本塁打0が、今春は4本。成果は出ているが絶対的な能力差は否めない。明大のように7点差をひっくり返すような相手には、生半可なことでは勝てない。道は、この日の4回に見えた。1死から辻居が左前打。次打者のカウント2-1でエンドランを仕掛け、内野ゴロで二進。岡の右前打で生還した。普段は「東大でも1発があると思わせたい」と話す浜田監督だが「ばんばんホームランは無理。四球、盗塁、内野ゴロで1点が理想」と言った。練習からチーム打撃を徹底し春の二の舞いを避けたい。

好データもある。1試合平均三振&与四死球(表)は、おおむね秋に改善。個の力量は年間を通じ上がる傾向にある。浜田監督は「春は間に合わない。下手だから練習時間がある方がいい」と認めた。名門高で完成に近づき入部する他大学と違い、東大は伸びしろが大きい。そこにも活路を見いだしたい。【古川真弥】