ソフトバンクの新外国人カーター・スチュワート・ジュニア投手(19=東フロリダ州立短大)が3日、福岡市内のホテルで入団会見を行った。

6年620万ドル保証で、出来高を含めると1200万ドル(約13億2000万円)の大型契約とみられる。今季推定年俸は1億1000万円。昨年全米ドラフトでブレーブスから1巡目指名された怪物はゴルフの腕前も規格外。「6年間で日本で一番の投手を目指す」と目を輝かせた。

198センチ、91キロの大きな体にスーツ姿。でも表情はあどけない。期待の19歳に無数のフラッシュが浴びせられた。場所は過去に松坂らが入団会見を行ったヤフオクドームに隣接する高級ホテル。

超VIP待遇で三笠取締役GMから背番号2のユニホームを着せてもらうと笑顔でポーズを取った。「質の高い野球を6年やり、日本で一番の投手になりたい」と目を輝かせた。

昨年の全米ドラフト1位右腕を獲得した三笠取締役GMは、その理由について「身体能力が優れているから」と明かした。野球以外でも規格外の腕前を持つ象徴が、趣味のゴルフだ。3歳で始め、日本にも愛用のクラブを持ってきた。「ベストスコアは65」と笑顔でサラリ。ドライバーでは巨体を生かし、何と360ヤードをかっ飛ばすという。

「65」のスコアは米国男子ゴルフツアーでも、首位争いができるレベル。松山英樹プロの平均飛距離は304ヤード。360ヤードのスチュワートの飛距離は驚異だ。大学からゴルフ競技で誘われたこともある。「野球が終わったらゴルフ(のプロも)やるかも」と笑った。ボウリングのベストスコアは246。卓球も得意。高校時代は26試合で10本塁打を放った。

もちろん本業の投手の素質も抜群だ。巨体から最速98マイル(157キロ)の直球と大きく縦に曲がるカーブを繰り出す。直球もツーシーム、フォーシームと投げ分け、チェンジアップ、スライダーも持つ。5月1日まで実戦で投げていた。「試合からしばらく離れているので、2~3週間で試合に投げられるよ」。

目標はソフトバンクでの6年間で能力を磨き、メジャーで通用する選手になること。今季はまず、日本野球に慣れるところから始める。福岡市内に住み、しばらくは両親も滞在する。新幹線で福岡・筑後市のファーム施設へ通う。とてつもない素材の米国の19歳怪物が、異国の地で挑戦をスタートさせた。【石橋隆雄】

◆カーター・スチュワート・ジュニア 1999年11月2日生まれ。米フロリダ州出身。NPBでのスコアボード表記は「スチュワート Jr.」。エウガリエ高3年時に61回2/3で防御率0・91、128奪三振をマークし、全米高校トップ選手の1人として名をはせた。18年6月のドラフトでブレーブスから1巡目(全体8位)指名を受けたが交渉が難航し、契約合意に至らず。同年秋から東フロリダ州立短大に在籍し、今年6月のドラフトでも上位指名が有力視されていた。198センチ、91キロ。右投げ右打ち。