日本ハムが執念のドローで、日本一となった16年以来のパ・リーグ単独首位に浮上した。

広島3回戦(札幌ドーム)で1点を追う延長10回1死三塁、王柏融外野手(25)の左越え適時二塁打で振り出しに戻した。延長12回の熱戦の末、勝利には届かなかったが価値ある引き分けで、首位に躍り出た。

延長12回2死一、二塁のサヨナラの好機で杉谷は左飛に終わったが、4時間10分の熱戦で引き分けに持ち込んだ。広島が4度の申告敬遠を申し出るなど、最後まで攻め立てたのは日本ハムだった。同一カード3連勝はかなわなかったが、栗山監督は「みんなよく頑張った」と、たたえた。

大王が息を吹き込んだ。1点を勝ち越しされた直後の延長10回。先頭西川が二塁打で出塁し、1死三塁から王柏融の打席だ。カウント0-1からシュート、スライダーで揺さぶられながらも3球連続ファウルで食らいついた。5球目、152キロをはじき返し、左越え適時二塁打。二塁ベース上でガッツポーズし、雄たけびを上げた。価値ある同点打に「自分の一打で首位に立ててうれしい」と喜んだ。

今季4度目の引き分け。前日12日に交流戦首位に立ったのに続き、混戦のパ・リーグでついに1位に躍り出た。指揮官は「(首位も)全然」と首を振ったが「今日は負けないで良かった」と、激闘をかみしめた。本拠地6連戦の中、最初のカードを無敗で折り返した。14日からの巨人3連戦でも、首位の座を譲らない。【田中彩友美】