ヤクルトの守護神が帰ってきた。1点リードの9回、石山がマウンドに上がった。リードの場面で最終回を任されたのは5月4日の中日戦以来。「打者に向かう気持ちは何回でも同じ」と気持ちの高ぶりを抑えた。先頭の岡田を空振り三振に斬ると、金子侑を左飛、最後の秋山は外角低めに150キロ直球をズバッと突き刺し、見逃し三振。完璧に抑え、約1カ月半ぶりの8セーブ目を挙げた。

秋田の波が力になった。12日に初勝利を挙げた日本ハム吉田輝と同じ金足農出身。「吉田君に全部持ってかれるんで」と笑いながらも、「一緒に自分も盛り上げていきたい」と地元愛を力にする。この日の先発石川も同郷秋田。大先輩が作った試合をしっかり締めた。

上半身のコンディション不良から復帰5試合目での抑え復帰だが「連敗中は一緒に苦しい時期を連帯できず、申し訳ない」と、16連敗中に貢献できなかった悔しさを胸に秘める。低迷するチームに、欠かせないピースが戻ってきた。