終盤戦に突入した交流戦。今週はセ・リーグ主催の試合が続く。パ・リーグの投手たちは、普段はない打席に備えて準備している。今回の「リクエスト制度」は山ちゃんの「毎年楽しみな交流戦ですが、パ・リーグの投手はどんな打撃練習をしているのですか? 担当記者から見て、実はこの投手が飛ばし屋だ! みたいなのも知りたいです!」にこたえます。

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日本ハム上原の打撃センスは、野手顔負けだ。昨季の交流戦では、周囲の度肝を抜くプロ初アーチを放った。18年6月18日広島戦。福井のフォークを、マツダスタジアムの右翼席中段へ運んだ。上原は「大マグレです」と照れたが、あまりにも強烈な印象を残した。ドラフト指名時から投打二刀流の可能性を言及していた栗山監督は、試合後に「二刀流の資料を、また引っ張り出します」と半分冗談、半分本気で言った。

190センチの長身左腕は、身体能力が、ずばぬけている。打席から一塁への到達タイムもチームではトップクラス。3秒7台と言われる不動の1番打者・西川と遜色ない。むしろ「上原の方が速い」と証言する球団関係者もいる。瞬発力系の数値は、野手を抑えて軒並み1位で、スイングスピードも速い。だから、遠くへ飛ばせるのだろう。

投手1本で4年目を迎えたが、栗山監督は「オレは、まだ諦めていない」と野手上原の可能性を高く評価する。先発した6月9日阪神戦(甲子園)では2打席で2三振。本業は打線の巡りの兼ね合いで4回で降板も、3安打1失点とまずまず。現在、出場選手登録を抹消されているが、最短で登録可能なのは20日DeNA戦(横浜)。また、上原の豪快なスイングが見たい。【木下大輔】