広島大瀬良大地投手(28)がリーグ戦再開初戦の28日DeNA戦に先発する。交流戦で封印していた新球種シュートを解禁。今季は得意球カットボールだけでなく、スライダーやカーブの精度も高い。さらにひそかに精度を高めた新球種を加え、高みを目指す。今季周囲からエースと認められた右腕に、新球種解禁の狙いを聞いた。【取材・構成=前原淳】

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--交流戦は3試合で1勝2敗、防御率3・15と苦戦した。その中で5日西武戦終盤、封印していたシュートを5球ほど試投。その後も日本ハム戦、ロッテ戦でも新球種を数球投じた

大瀬良 まだ左打者にしか使っていないのですが、(カットボールやスライダーなど内に)入ってくる球を待っていると思うので、頭にないと思う。対(つい)になる球種は有効ですし、いずれは必要になる球種と思っていました。

--キャッチボールやブルペンで、ひそかに新球種を磨いてきた。4月25日中日戦の1回、1死一塁では3番大島に2ストライクからシュートを投じた。だが左前にはじき返され、しばらく封印

大瀬良 完成度が上がったというより、ある程度低めにまとめられるようになったので実戦で試せるかなと思いました。(パ・リーグの西武は)自分のデータがより少ない相手でしたし、どんな反応をするのか見てみたかった。

--今季は得意球カットボールだけでなく、スライダー、カーブの精度も高い。順調に白星を積み重ねている中で新球種を試す狙いは

大瀬良 これまでもずっと不器用なりにいろんな人に握りや感覚を聞きながら、練習してきました。いくつも違う感覚を感じながら、それらをすり合わせ、ようやくいい方向にはまってくれた。マエケンさん(ドジャース前田)、野村さん、ザキ(中崎)に聞いてきて自分なりにアレンジしたもの。今季中には右打者にも使っていこうと思っています。

--新球種を携え、28日から再開するリーグ戦初戦を託された

大瀬良 リーグ戦に戻って流れを変えるチャンスでもあると思う。初戦の投球次第で、チームが乗っていける可能性も大いにある。そういうのも託されているんだと思っている。ただ投げるのではなく、深い意味を考えて投げたい。しっかりそこに応えられる投球をしたいと思います。