広島がDeNAに2試合連続逆転負けを喫し、後半戦カード負け越しスタートとなった。3試合連続先制も、追加点が奪えない。ミスも重なった。先発ジョンソンは6回2失点と好投しながら援護なく6敗目。停滞感を打破できないまま、19日から首位巨人との3連戦に臨む。

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後半戦に入っても、広島の空気は重い。不安定な立ち上がりのDeNA浜口から押し出しで先制するも、攻略できずに立ち直らせた。強力DeNA打線を相手に1点で逃げ切るのは厳しい。ジョンソンは4回、ロペスにやや甘くなった直球を被弾。その後のピンチも粘りながら6回を投げ切るも、今の広島には1点のビハインドはとてつもなく重い。7回1死二塁からの代打攻勢はDeNAの継投策の前に無得点。その裏の1失点で勝負は決まったような空気だった。

序盤に追加点を奪えなかったことが試合を重くした。2度の好機で試合を左右するプレーに絡んだ松山は「自分のせいで負けたようなもの」と敗戦の責任を背負った。1回は2四球で得た1死満塁でカウント1-1からボール気味の球に手を出して二飛。「犠牲フライでも良かった。それくらいしないとクリーンアップを打たせてもらっている資格はない」。状況に応じた打撃ができなかった。

1点リードの3回2死二塁では、一、二塁間への当たりで1度はセーフと判定され適時内野安打と思われたが、リクエストにより判定が覆った。タイミングはセーフも、走路上にいた一塁ロペスをよけるようにブレーキをかけたことで一塁ベースをきっちり踏み切れていなかった。「ちゃんと踏んどけば良かった。危ないと思って(足を)引いてしまった」。試合後は唇をかんだ。

緒方監督は「ベースを踏まないとダメでしょう」と指摘しながらも責めなかった。ただ「つま先が当たっているかもしれないけどね。そういう微妙なところが試合にも出た」とうまくかみ合わないチーム状況を重ねた。後半戦に入っても投打の歯車はかみ合わず、カード負け越し発進。借金は6に膨らんだ。首位巨人が敗れたことで自力優勝の可能性は残り、19日から本拠地で巨人と3連戦。王者として、このままズルズルと終わるわけにはいかない。【前原淳】