清宮よ、真の4番を勝ち取れ-。日本ハム栗山英樹監督(58)が19日、5試合連続で4番起用している清宮幸太郎内野手(20)を激しく叱咤(しった)した。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷でプロアマ交流試合・創価大戦を視察した指揮官は、現4番の若き主砲について言及。試合終盤に代打を送られるのが現状だが、結果で地位を確立し、故障離脱中の中田が復帰後も、4番を譲らないほどの活躍を期待する。

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千葉・鎌ケ谷のプロアマ交流試合を視察した栗山監督だが、語気が強まったのは、そこにはいない選手について聞かれたときだった。5試合連続4番で起用中の清宮。4番成績15打数3安打、打率2割と苦しむが、近未来の主砲を任せられる存在であることは間違いない。「(清宮の成長曲線を)どこに持っていかなきゃいけないかという中で、今できることは何なんだということ」と力説した。

シーズン佳境の大事な時期に、中田が右手痛で離脱した。チームにとってのピンチを、チャンスに変えられるか。出した答えが「4番清宮」。「それがチームを勝ちやすくするはず」と断言し、中田が戦列復帰しても4番を譲らないほどの結果を求めている。

一方で、4番出場5試合のうち2度、試合終盤に代打を送った。相手投手が変則左腕であったり、犠打で走者を進めたかったという事情はあるが、「いろんなことを悔しがったり、いろんなことを必死になったりすることが、あいつにとって必要なこと」と、あえて与えた試練でもある。「今は何でもやるよ。普通であったら、4番に据えれば、いろんなことをやっちゃいけないのかもしれないけど、そんなこと関係ないだろ。幸太郎にとって必要なことは全てやり尽くす」とまくしたてた。

すべては、チームを浮上させるため。指揮官は大局を見ながら、目の前の激しいサバイバルを勝ち抜く覚悟だ。【木下大輔】