楽天の守護神松井裕樹投手が2年ぶりに30セーブに到達した。2日のロッテ戦で王手をかけて以降、セーブ機会での登板自体がなかった。「29セーブから長かった。素直にうれしい」と笑った。

5試合以上登板の投手では、両リーグで唯一奪三振率が14を超える奪三振マシン。2死から井上をチェンジアップで代名詞の三振に仕留めたが、前の2人を直球で詰まらせて打ち取った場面が進化を示す。ルーキーから松井を見てきた星トレーナーは「実は左足から右足に『軸足』が変わったんです」と証言する。

左足に体重が残り、腰が入らずに右打者の外角へすっぽ抜けるようなボールが多かった1年目に対し、今季は下半身強化によって体重がしっかりと右足に乗っている。体が開かず、素直に捕手方向を向けることで、制球が安定し、球質も向上。この日が昨季と同じ53試合目の登板だったが、与四球は11個少ない。6月12日のヤクルト戦では、村上を空振りさせた直球の回転数が毎分2700回転という驚異的な数値も記録した。

エース則本昂が試合をつくり、松井が締める。楽天のストロングスタイルで、5月17日以来の借金生活突入を阻止した一戦の意味は大きい。【亀山泰宏】