日本ハム有原航平投手(27)が、エースの役目を全うした。24日、オリックス18回戦(京セラドーム大阪)に先発し、7回2安打1失点の好投。両リーグ単独トップを走る13勝目は、自身通算50勝の節目の勝利。105試合目での到達は、球団では90年西崎、09年ダルビッシュに次ぐ、3番目のスピード記録となった。負ければ最下位転落の危機を救う快投だった。

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またエースの座を揺るぎなくした。有原がチームの危機を救った。負ければ最下位転落。重要なマウンドで、7回2安打1失点の快投を演じた。「先に点を取られましたけど、7回まで何とか粘れた」。試合後、栗山監督に呼び寄せられ、固く握手を交わした。ハーラートップを走る13勝目。勝ち星の数だけ、使命感は増している。

立ち上がりの違和感を、マウンド上で修正した。「体重移動が、うまく出来ていなかった」。普段は150キロを超える直球が、序盤は140キロ台止まり。2回にはモヤに先制弾を献上した。だが「相手にうまく打たれた。そこから切り替えて、うまく粘れた」。直後に打線が逆転したことも力になった。直球の威力は本来のものを取り戻し、最速は153キロに上昇。1点リードの7回1死二塁で再びモヤを迎えると、3球続けて直球で押し、空振り三振に仕留めた。ホッとしたように笑みをこぼした。

エースにふさわしい白星を挙げた。プロ5年目、通算105試合の登板で50勝に到達した。90年西崎(92試合)09年ダルビッシュ(93試合)と各世代のエースに次ぐ、球団3位の早さだった。「全然考えていなくて、勝ち星は野手の方に付けてもらってなので」と控えめに受け止めたが、チームが下位に低迷する中、大車輪の活躍を見せている。

栗山監督は「素晴らしかったですね。今の状況はなかなかうまくいかないけど、苦しいところを止めてくれるのは、すごく助かる」と称賛の言葉を贈った。混戦の上位争いで、頭1つ抜け出すために-。有原は「これからも、粘り強く投げていきたい」と貫禄をまとい、言った。【田中彩友美】