見てろよ、ソフトバンク! 西武が接戦の末に敗れ、1日で首位から陥落した。千賀の前に山賊打線が沈黙。

8回に秋山の適時打で1点をかえし、9回には中村が29号ソロで反撃に出たものの、1点及ばず逃げ切られた。レギュラーシーズンは12勝13敗で負け越しとなったが、クライマックスシリーズ(CS)での再戦は必至。再逆転でのリーグ連覇を果たし、リベンジを果たす。

   ◇   ◇   ◇

ベンチから最後のアウトを見届けた。西武辻監督はソフトバンクとの最後の試合を惜敗で終えた。同時に首位陥落となり、ライバルにマジック12が点灯した。レギュラーシーズンは12勝13敗。宿敵にわずかに先を許す結果となった。指揮官は「面白くなったね。最後、客が帰れなかった」と大接戦を振り返ったが、すぐに悔しさがあふれ出た。「惜しい、あと1歩だった」。悔やんでも悔やみきれない。それくらいの接戦だった。

前夜に今季初めて首位に浮上した勢いは、鷹の執念に及ばなかった。自慢の山賊が中5日の千賀に4回までパーフェクト投球で抑えられた。張り合うように十亀が粘投した。打線に火が付いたのは2点を追う8回だった。2死から金子侑が四球で出塁。1番秋山がフォークを捉えた。右中間を割る適時打で1点をかえした。再び2点差とされた最終回、気を吐いたのはベテラン2人。中村が29号ソロで1点差とし、さらに栗山が左前安打で続いた。指揮官の言葉通り、あと1歩届かなかった。

天王山2試合を終え、両チーム残り12試合。直接対決はないが「チャンスはまだいっぱいあるでしょう。選手たちはリラックスしていたが、気持ちが入っていて大変な2日間だった」。1勝1敗。ずっと追う立場だっただけに、痛み分けに満足はできない。それでも戦い抜いた選手たちを見ていれば、自然と優勝への確かな手応えを感じている。

13日からは調子を上げているロッテを相手に本拠地4連戦。「だからこそ明日からが大事。気持ち入れて、目の前の相手に負けないことが一番大事」。目標はリーグ連覇。その差は0・5差。目の前を飛ぶ鷹の背中に、再び襲いかかるだけだ。【栗田成芳】

▽西武中村(9回に1点差に詰めよる29号ソロ)「なんとか塁に出たいという思いで打席に入った」