涙の歓喜に続く。「eBASEBALLプロリーグ」(以下eプロ)の巨人坂東秀憲(25)が、本家のリーグ制覇に、日本一への思いを強めた。

トレードマークの黒縁メガネに声がかかった。21日、マジック2のチームに同行。現場に顔を出すのは久しぶりだ。横浜スタジアムのベンチ裏、岡本の笑顔があった。「見ましたよ。頑張ってください。僕もちゃんと使ってくださいね。能力弱くないですか? 今度一緒にやりましょう」。優勝がかかる大一番を前に、頼れる4番は気さくに接してくれた。eプロではスタメン起用が濃厚。次のアップデートで特殊能力が加われば他球団の脅威になる。

「93年世代」の活躍も心強い。優勝に貢献した桜井、中川、田中俊、増田大、石川らとは同い年。田中俊は「ニュースを見てびっくりした」とeスポーツでの巨人入団を喜んでくれた。職員としても同世代の人気上昇はうれしい。中でもドラフト1位桜井のブレークは心に刺さった。入団後、東大戦で打ち込まれて複雑な気持ちになったのが鮮明に残る。パワプロで期待するのは中川。スラーブの曲がりはゲームでも上位で、中継ぎの核になりそうだ。

優勝後、ビールかけ会場にも向かった。職員は遠巻きに見守り、もちろんビールにはかからず。それでも優勝の一体感はすさまじかった。チームは日本一を目指して、これからCSを戦う。巨人の看板を背負う選手として、さらに身が引き締まった1日だった。

◆坂東秀憲(ばんどう・ひでのり)1994年(平6)1月23日、栃木県下野市生まれ。栄東から東大。東大野球部では二塁手、後にマネジャーに転向した。東大には文科3類で入学後、3年時に理転。医学部健康総合科学科に進み、地方山間部の高齢者を研究した卒論は東大総長賞にノミネートされた。卒業後に読売巨人軍に入社、営業企画部に配属。168センチ、63キロ。パワプロのプレーヤーネームは「どぅーけん」。