ベテラン石川雅規投手(39)のお手本になる“攻撃的”な姿が勝利を呼び込んだ。

5回4安打3失点、73球でチームトップの8勝目。通算171勝目だが、先発では170勝目で梶本隆(阪急)星野(阪神)に並ぶ19位タイと20傑入りした。それでも「チームが勝ってよかった」と喜びは控えめだった。

5-2で迎えた4回、先頭で打席に向かった。ファウルで粘り、巨人先発桜井の7球目チェンジアップを右前へうまく転がした。追加点の起点となり、青木の適時三塁打で生還。勝利への執念を見せ、小川監督は「打席でも攻撃的な姿勢を見せていた。それが得点、勝利に結びついた要因」と称賛した。

雨脚が強まる中、集中力を高めた。5回は連打を許し1失点。さらに2死一、三塁のピンチで3番陽岱鋼と対戦。フルカウントから内角低めに沈む122キロシンカーで空振り三振に仕留めた。「悔いのないように、しっかり腕を振って低めのイメージだった。三振になってよかった」と淡々と振り返った。

前日21日には、ともに刺激し合い、ローテーションを支え続けた館山が現役を引退。「後輩の高い目標でい続けてください」と言葉を送られた。本来、翌日の先発投手は試合後の引退セレモニーにはいないはずだったが、石川は参加。館山のメッセージに、涙を流した。「タテがいたから頑張れたし、今の自分がある。1日でも長くそう(お手本で)いられるように、日常を送りたい」と戦友の思いを胸に刻んだ。ヤクルトには、頼もしいベテランがいる。【保坂恭子】