今季限りでの現役引退を表明している広島永川勝浩投手(38)が23日、マツダスタジアムで引退会見を行った。背番号20に身を包み会見場に姿を見せると「大学を卒業して野球をやって来ましたけど、今年で引退をして、17年に区切りを付けたいと思います」とあいさつした。

昨年は前年オフの左ひざクリーニング手術から復帰して2年ぶりに1軍登板。22試合で2勝5ホールドをマークした。ただ今季はイメージしたパフォーマンスを実戦で発揮できず、回復力の衰えも痛感するようになり「心が折れた」ことで現役引退を決断した。

17年の一番の思い出を聞かれると「1年目から山本浩二監督にクローザーを任せてもらって、そういう道をつくってもらった。この17年間は、そのスタートがあったからこそ。感謝していますし、いい思い出です」と答えた。いきなり25セーブを記録し、プロ野球選手としての方向性を確立させた1年目を回想した。

永川の代名詞である落差の大きいフォークを体全体で受け止めてきた歴代の捕手たちにも感謝の言葉を並べた。「西山さんから始まって、いろんな捕手の方に受けていただいた。体も含めて迷惑をかけたなと思います。うちの捕手はずっと優秀なので、走者三塁でも思い切ってワンバウンドを投げられる捕手がそろっていたので、そういう意味ではありがたかったですし、心強かった」。瞳にはうっすら涙を浮かべていた。

積み重ねた数字は、通算526試合登板。38勝42敗、79ホールド、球団最多記録の165セーブ、防御率3・47。この日、中日24回戦で04年10月10日横浜戦以来15年ぶりに先発し、17年のプロ野球人生の幕が下ろされる。