亡き球友も、歓喜の輪の中で一緒に跳びはねた。3季ぶり19度目のリーグ優勝を決めた天理大ナインの腕の中に、昨年1月、白血病で亡くなった福丸和起さん(当時2年生)のユニホームがあった。試合中は、ベンチ中央に掲げられ、ナインとともに戦った。生きていれば4年生。13日のミーティングでは「福丸の最後のシーズン。全員で神宮に連れていこう」と呼びかけられた。

初回に2点を先制されたが、その裏に満塁弾などですぐさま逆転。藤原忠理監督(54)は「最後の学年だから優勝しないといけないという言葉をかけた。4年生踏ん張れと」。1点差の7回には、石原貴規捕手(4年=創志学園)が2者連続で二盗を試みた走者を刺した。13日に登板した八木玲於投手(4年=敦賀)も連投に備えた。石原は「(福丸は)明るいやつ。チームの雰囲気が暗い時とか、生きていたら違ったかなと思ったこともあります。福丸にもいい思いをしてもらいたかった」と目をうるませた。リーグ代表として関西地区代表決定戦(26日開幕・南港中央)に進出。勝ち進めば、明治神宮野球大会(11月15日開幕・神宮)の出場が決まる。福丸と全国に。最後まで負けるわけにはいかない。【望月千草】