2人に言葉はいらなかった。DeNAラミレス監督は、17歳の高校生を見つけると握手の後、熱いハグ。ドラフト会議から一夜明け、1位指名した桐蔭学園・森敬斗内野手へ指名あいさつに訪れた。森を見つめると「カッコイイネ~。体つきが良く、非常にイケメン。自信にも満ちあふれている。多くのファンが期待できる」と“再会”を喜んだ。

あれから5、6年たっただろうか。静岡出身の森は小学校高学年の時、巨人-ヤクルト(草薙)を観戦。当時、巨人の選手だったラミレス監督と、試合前に握手とハグを交わしていた。時を経て、野球少年とプロ野球選手だった関係は、期待のルーキーと指揮官となった。記念撮影では指揮官の十八番「ゲッツ」「アイーン」も一緒にこなし、距離を詰めた。

ラミレス監督は「タイプで言えば球団OBの石井琢朗さん。レギュラーとして長年活躍して、名球会に入れる能力を持っていると判断した」と絶賛。大きな期待をかけられた森は「1年目から1軍で活躍したい」と、未来の正遊撃手を目指す。また何十年後…。名球会入りを果たし、指揮官から伝統のジャケットを着せてもらう日を夢見てプロ生活が始まる。【栗田尚樹】