由伸ロードで、エースになる! オリックスから1位指名された興南・宮城大弥(ひろや)投手(3年)が20日、沖縄・那覇市の同校で福良GMらの指名あいさつを受けた。

福良GMから「いずれはうちの柱になってくれる投手」と期待された最速149キロ左腕は「勝てる投手、息の長い投手になりたい」ときっぱり。さらに「自分の理想があって、まず中継ぎで経験をして、その次に先発ができたらうれしいなと思う」と自身の“育成プラン”を明かした。

「勝利の方程式」「強力ブルペン」と表現され、中継ぎ、抑えが脚光を浴びる今でも、プロの第1歩に「まず中継ぎ」を挙げる投手は珍しい。だが宮城は興南3年間を振り返り「先発よりかはリリーフの方が実績、活躍は大きかったと思う。リリーフで活躍して、その後に自分は先発をしたいので、先発できればと思っています」と説明した。

2年夏の甲子園大会初戦(土浦日大戦)は8回無死満塁で救援し、三振、投手への併殺打で2点リードを守った。今年のU18W杯の米国戦でも9回の1イニングを3者三振。恩師の我喜屋優監督(69)も「宮城は肩ができるのが本当に早い」と中継ぎの適性を明かす。

オリックスでは今年、山本が中継ぎから先発に転向し、パ・リーグの最優秀防御率を獲得した。宮城も2年夏の全国での快投後、今夏の沖縄大会2回戦から5試合連続完投とチームの大エースに成長。「打者の抑え方など投手の幅が広がれば先発にいきたい」。己を知る冷静さも、宮城の武器になる。【堀まどか】