阪神梅野の弱点「捕球技術」向上へ数cmのこだわり

阪神担当の磯綾乃記者が11日、「虎番リポート」と題し、高知・安芸の秋季キャンプで梅野隆太郎捕手(28)に密着。個人メニューでの178球のキャッチング練習に梅野の来季へのこだわりがつまっていました。2年連続ゴールデン・グラブを受賞したが、捕球技術の改造にも着手中。その思いに迫った。

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全体練習を終え、梅野が向かった先は室内練習場だった。「パンッ」「パンッ」…。小気味いい捕球音を、リズム良く響かせた。ピッチングマシンが投じる1球1球を、右足に力をぐっと込めてミットに収める。藤井バッテリーコーチとマンツーマンで行った約1時間、178球の捕球練習。気付けば数人の打撃投手らが周囲を囲み、じっと練習を見つめていた。

今季はプロ野球記録を65年ぶりに塗り替える123補殺。そして2年連続のゴールデングラブ賞。捕手として申し分ない成績に思えるが、梅野には引っかかるデータがあった。「アウトコース低めのストライクがボールと判定されやすい、と出ていた」。弾道測定器「トラックマン」による今季の梅野の捕球データを見ると、外角低めに決まったストライクの球が、他のコースよりボール判定されやすいことが分かったという。

捕球技術向上へ、意識するのは体重のかけ方。今までは捕球の際に左足に重心をかけることが多かったが、藤井コーチの助言もあり、右足に重心を掛けることを意識。「アウトコースに来た時にボールの勢いに負けないように、体重が右に残るように」。マシンから投じられたのは、徹底的に外角へのボール。力強く右足を踏み込み、ミットをぶらさずに捕球し続けた。

「年間で20、30球でも(判定が)変わればいいことだと思うし、ピッチャーのためでも自分のためでもある。1つのストライクで、打ち取れる率は変わってくると思う」。1シーズンでわずか数十球ではあるが、勝負球にも使われる右打者の外角低めがストライクに変われば、勝率は上がる。秋季キャンプ前、矢野監督に提出したリポートでも「捕ることがメイン」とキャッチング技術の向上を目標に書き記した。ストライク取るための数センチの違いにこだわり、一心に練習に打ち込んでいる。

今キャンプでは「バッティングは(全体練習の)メイングラウンドまで」と決め、ここまで個別練習の時間は全て捕球練習に割いている。3季連続で100試合以上に出場。シーズン全試合出場へ「そういう時代じゃないと思うけど、開幕の時にはそういう気持ちでいないといけないと思う」と決意を語った。「毎年、1試合1球が勝負だと思っている。ここまで3シーズン通してやってきて、過酷なポジションだなと思う」。V捕手になるために-。梅野が弱点と正面から向き合い、さらに高みを目指す。

<阪神梅野の秋季キャンプ11日の流れ>

▼午前9時過ぎ 室内練習場でストレッチなどアップ

▼午前10時 全体練習ウオームアップ開始

▼午前10時30分 ベースランニング

▼午前10時50分 上本とペッパー、その後キャッチボール

▼午前11時5分 投内連係プレーの確認(午前の練習終了)

▼午後0時20分 バント練習66球

▼午後0時40分 ゴロ捕球80球

▼午後1時 走塁練習

▼午後1時30分 ティー打撃103スイング

▼午後1時50分 フリー打撃83スイング

▼午後2時10分 全体練習終了

▼午後2時50分 個人練習スタート。マシン相手にキャッチング練習178球。

▼午後3時53分 ショートダッシュ

▼午後4時20分 筋力トレーニング

▼午後5時10分 練習終了。球場を引き揚げる。

その他の写真

  • 阪神梅野がマシン相手に捕球練習した球数を示すカウンター(撮影・磯綾乃)
  • ティー打撃を行う梅野、午後1時42分(撮影・前岡正明)