ソフトバンク3位指名の東北福祉大(東北3連盟代表・仙台6大学)津森宥紀投手(4年=和歌山東)が、16日の初戦で対戦する同2位の東海大(関東5連盟第2代表・首都)海野隆司捕手(4年=関西)との「未来のバッテリー対決」を制する。

第50回明治神宮野球大会(神宮)が開幕した15日、横浜市内で最終調整。40球のブルペン投球で準備を整え、大学最後の大舞台での日本一獲得を誓った。

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明日の友は、今日の敵! 最速149キロサイド右腕の津森は、大学侍ジャパンでの仲間でもあり、ともにソフトバンクから指名を受けた戦友との対決を心待ちにした。「楽しみですし、プロで一緒に出来るのもうれしいですけれど、負けたくない。向こうは4番。4番に打たれたら点(失点)に絡んできますしね」。宿敵心もむき出しにし、攻守の要を斬る自信の表情を浮かべた。

泣いても笑っても、大学生活の公式戦は、最大で残り4試合しかない。苦楽をともにしてきた仲間との練習も楽しむかのように、時折笑顔もこぼれた。ブルペン投球では女房役の笹谷拓海捕手(4年=花咲徳栄)の変化球のサインを“無視”し、剛速球で驚かせた。「ごめん、ごめん、投球フォームを意識しすぎていたら(変化球を)忘れちゃっていたよ~」と苦笑い。普段は指名打者制のために経験が少ない打撃練習でも、レフトの先の建物を指さして本塁打予告のフルスイングも披露。チームの雰囲気も活気づけた。

神宮球場には忘れられない悲劇もある。今春、佛教大(京滋)との全日本大学選手権準々決勝で3点リードの7回から登板。8安打4失点でサヨナラ負けを喫して涙した。「あのころは、いろいろなことを考えすぎてしまっていた。ドラフトで指名され、今は吹っ切れています。持ち味の強気でガムシャラなピッチングが出来ると思う。もう変な負け方はしたくない」。ソフトバンク首脳陣にもリリーフとしての期待が高く、勝利で試合を締めてリベンジするつもりだ。

東海大打線に対しても「試合の終盤まで粘り強い」と分析する。「チームを勝たせたい。もう1度、日本一になりたい」。防御率0・00で昨春の全日本大学選手権優勝を導いた再現に挑む。【鎌田直秀】

▽東北福祉大・山野太一投手(3年=高川学園、先発が有力の左腕は初戦に向け) 4年生と出来るのも、あとわずか。まずは初戦でベストピッチングを見せたい。自分の結果よりチームの結果が大事です。