楽天の新入団選手発表会見が22日、仙台市内のホテルで行われ、ドラフトで指名された全11選手(育成含む)が決意表明した。

ドラフト5位の最速154キロ右腕・福森耀真投手(22=九産大)は大きなお尻がアピールポイント。「ケツ(尻)森と呼んでください」と要望し、さらなる下半身強化で160キロ超えを目標に掲げた。背番号の入ったユニホーム姿も初披露し、本拠・楽天生命パーク宮城で記念撮影などを行った。

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スーツを脱ぎ、ユニホームに着替えた福森は、プリプリの尻を強調した。剛速球の源でもある長所に「呼び名はフクちゃんでもいいんですが、お尻が大きいことに自信があるので『ケツ森』でお願いします」。コブちゃん、フクちゃん、ツルちゃん、ムッちゃん…と続いた流れを、強力な下半身で封じた。

150キロを超える直球に、決め球のスライダーなどで三振の山を築いてきた。20日に閉幕した明治神宮大会では1回戦で先発も、金沢学院大相手に4回途中降板で逆転負け。「プロになっても、スクワットを中心に、お尻を作っていきたい。ケガなく1年間投げる体力には自信がある。投げ続ければ1軍にも上がれると思う。154キロのスピードも、160キロを超えたい」。岸や則本昂を中心にした投手陣への挑戦に加え、同期の決意表明を受け、早くも尻に火がついた。

小4で千葉から福岡に引っ越し、初めて仙台に来た。「牛タンがおいしくて、寒いイメージ。自分は暑がりなので大丈夫だと思います」。背番号49にも「若い番号なので期待してもらっている」と不安はない。石井一久GM(46)からも「自分の特長をしっかり把握して、そこを伸ばしてほしい」と背中を押された。1年目から尻上がりに、スピードも成績も伸ばしてみせる。【鎌田直秀】

1位小深田 「こぶちゃん」の愛称をリクエストし、開幕スタメンを目標に掲げた。石井GMからも「昆布締めみたいなグッズも作りやすい」とチームの顔となる期待を受け、「茂木選手をライバルにして(ソフトバンク)千賀投手からヒットを打ちたい」。背番号も社会人時代と同じ0に決まり、ロッテFAから新加入した鈴木大地らとの定位置争いに闘志を燃やした。

 

2位黒川 「ヨシノブ2世」で担当スカウトの期待に応える。背番号24に決まったのは愛敬尚史スカウトの推薦だった。「現役時代、(元巨人)高橋由伸さんに何発もホームランを打たれたそうです。だから『24』はいい番号だ、と」。同じ左打ちの天敵とイメージが重なったようで、「対戦したいのは(ソフトバンク)千賀さん」とキラー襲名で指名の恩義に報いる。

 

3位津留崎 大学日本一を達成した慶大でバッテリーを組んだ仙台育英(宮城)出身の中日4位郡司裕也捕手(21)との対戦を望んだ。「『すべてを知っているから絶対に抑えられない』と言われているので、成長した姿を見せて打ち取りたい」と決意。「『仙台は寒いけれど人は温かいから安心していい』とも聞いています」と前夜は牛タンをほおばり、杜(もり)の都を堪能した。

 

4位武藤 背番号71から「楽天のイチロー」を目指す。走攻守すべての能力が高い外野手は「守備と肩の強さをマネできるよう練習してきた。自分もこのような打者になれたら」と、元マリナーズのイチロー氏がお手本だった。「これからは野球が仕事。若い番号になれるように」と、「エリア51」と称された本家と同じ4位入団からサクセスストーリーを描く。

 

7位水上 U18W杯日本代表の経験も生かし、正捕手獲得に挑む。13年の日本一時から憧れていた球団だけに「則本(昂大)投手のストレートを受けてみたい。ずっと見ていた投手なので」。背番号も78に決まり「始めは大きい番号の方が良い。(小さい番号に)替えられるようになっていけば」と捕球技術や強肩で争いに加わる。

 

育成1位江川 昨日の敵は、これからも宿敵!? 今春センバツで4-13と敗れた7位水上に対し、「甲子園で負けてしまったので、プロの舞台では競い合いながら勝てるように頑張りたい」と闘志。肩の強さや右方向にも打てる打力を武器に「1プレーで流れを変えられる選手になって日本一の瞬間にマスクをかぶっていたい」と目標を掲げた。

 

育成2位小峯 愛称カボチャは「恩師が『頭がでかい』から」と、ダイエーなどで活躍した鹿児島城西・佐々木誠監督(54)が命名。母校は今秋の九州大会で4強入りし、来春センバツで初の甲子園出場を濃厚にしており、「夏の悔しい負けをバネにして後輩たちが頑張ってくれた」と身長もビッグな189センチ右腕は刺激を受けていた。

 

育成3位山崎 「アロハ山崎」と自身で命名し、楽天生命パークで躍動する。ハワイ大から逆輸入され、会見では英語で座右の銘を披露。「Opening day Everyday。開幕戦の気持ちで毎日準備するということです」と大学講師から学んだ言葉を掲げた。一時はメジャーも意識して渡米した実力者は「ミート、パワー、スピード、肩、守備力の5つでアピールしたい」と5ツールプレーヤーの域に挑む。

 

育成4位沢野 今夏は「3番遊撃」で誉(愛知)を初の甲子園に導いた。入団会見の熱気に「甲子園とは雰囲気も違う。普通の人は体験できない」と楽しんだ様子。本職の遊撃争いは1位小深田らの加入で激化したが、「小柄でも振れるパワーはどこからくるのか聞いてみたい」と、茂木に弟子入り志願した。