「現役ドラフト」の概要が見えてきた。労働組合・日本プロ野球選手会は5日、大阪市内で定期大会を開き、出場機会の少ない選手を対象とした「現役ドラフト(仮称・ブレークスルードラフト)」の20年シーズンからの導入を日本野球機構(NPB)に強く要望することを決議した。同ドラフト案に対する両者の協議は続いているが、各球団が対象となる8人を選定し、全12球団から最低1人以上が指名されるプランが明らかになった。来季導入へタイムリミットとなる来年1月までの大筋合意を目指す。

【過去の移籍活性化策】

<70~72年 通称トレード会議>

◆選抜会議 70~72年に実施され、通称「トレード会議」と呼ばれた。第1回は70年11月19日、ドラフト会議の10日後に、同じ東京・日比谷の日生会館で行われた。1球団の支配下選手20%が対象となり、70年はセ・リーグ66人、パ・リーグ64人がリストアップされた。1巡目は参稼報酬+200万円、2巡目は参稼報酬+100万円、3巡目以降は参稼報酬が元所属球団に支払われる仕組みで、1巡目は指名がなかった。2巡目で阪神の鏑木悦純投手が大洋に指名され、その後合計14人が指名を受けた。71年は17人、72年は8人が指名され、大洋に移籍した鏑木投手は71年の会議では巨人に指名を受けて移籍している。

<90年 FA代案>

◆セレクション会議 選手会が要望したFA制度の代案として90年に開催され、12球団がそろってトレードについて話し合った。3月30日、東京グランドホテルで行われた第1回の会議では、開幕時の現役選手登録28人に5人を加えた「1軍要員の33人」とプロ入り3年未満の選手がプロテクトされ、残った選手の中から、移籍を希望する選手を各球団がリストアップ。第1回は約20人が対象となったが、トレードは成立しなかった。11月1日の第2回では約40人がトレード可能選手として提出され、島田誠(日本ハム)-坂口千仙(ダイエー)、斉藤浩行(中日)-小松崎善久(日本ハム)など3件のトレードが合意した。