阪神井上ら高卒ルーキー、掛布以来1年目1号なるか

  • 合同自主トレでペッパーをする阪神遠藤(2020年1月9日)

<出た出たデータマン:第5回>

阪神の高卒新人には「掛布以来」の期待がかかる。ドラフト入団し高卒1年目に本塁打を打った選手は、1974年(昭49)掛布雅之までさかのぼる。井上広大、遠藤成、藤田健斗らからアーチを放つ選手が出れば、球団46年ぶりとなる。

ドラフト導入直後には、個性豊かな高卒新人が続々と1軍での腕試しを果たしていた。1期生が入団した66年以降、高卒1年目に本塁打を記録した選手は掛布を含めて4人いる。初代の66年藤田平は、球団2位となる2064安打につなげた。67年には、いきなり12勝を挙げた江夏豊が、打っても1号を記録した。

68年10月10日中日戦では、川藤幸三も高卒1年目に本塁打を放っている。この日の出場は、なんと「2番・遊撃」でのフル出場だった。後の代打の切り札の、若き日の意外な姿である。なおこの試合は甲子園で行われた。阪神のドラフト入団高卒1年目選手が聖地で放った、現状最初で最後の本塁打でもある。今季の高卒新人が甲子園で本塁打を打てば、川藤以来実に52年ぶりとなる。

阪神の高卒新人本塁打のブランクは、セ・リーグ最長だ。一昨年まで阪神に次いで長かったのが広島で、当時の最新は80年の長嶋清幸だった。ところが19年のルーキー小園海斗が、昨年12球団唯一の高卒新人本塁打を放ち、その後4号まで伸ばした。阪神の空白期間が、より際立つ形となっている。昭和の先輩方はいずれも、球団史に残る選手となった。平成時代にはご無沙汰だった、初々しい高卒ルーキーのホームラン。令和の御代を担う若者が描く、歓喜あふれるアーチが見たい。【記録室・高野勲】