【米グアム14日=山本大地】ソフトバンク森唯斗投手(28)が完璧守護神への誓いを立てた。温暖なグアムで自主トレ中の右腕は「体が動く」と順調な調整で、ブルペン投球でも「ここ何年かで一番いい」と手ごたえをつかんでいる。数字には頓着しないが「負け数0」にはこだわり、鉄壁の抑えになる。

   ◇   ◇   ◇

ぎらつく太陽を浴びながら、森は元気に動き回った。年下の甲斐野らと同じ本数のランニング。キャッチボールでも甲斐野を「すごい球」と唸らせ、エンジン全開だ。右腕にとっては4年目のグアム始動。「暖かいし体も動く。1月はしっかり体を動かすことが優先。その分、追い込むこともできる」という南国で20年シーズンへ向け着々と準備を進めている。

12日からはすでにブルペン投球も始めた。低く伸びやかな直球で捕手のミットをパンパンと勢いよく鳴らし「ここ何年かでは、この時期としては一番いい形で投げられている」と手ごたえをつかんでいる。帰国予定の1月下旬まで「もっといい球の確率を増やして、全体的にレベルアップしていきたい」と徹底的に体を追い込んでいくつもりだ。

18年のシーズン途中から抑えを務め、チームの信頼を勝ち取った。股関節を痛めリハビリ中のサファテもいるが、20年の守護神も圧倒的大本命は森だ。リーグVの奪回と4年連続日本一を思い描き「最後は絶対にぼくがマウンドに上がれるように」と立場を譲るつもりもない。

達成すれば球団の日本人では初となる3年連続30セーブなど目標となる数字はあるが「正直、意識していない」という。だが「0敗」という数字を向けられたときに、森が鋭く反応した。「そこは絶対ですね。チームが勝っている形で回ってきたら、絶対に抑えてチームが勝てるようにしたい」。チームの勝利が何より重要。だからこそ絶対に失敗しない、完璧守護神として立ちはだかる。

オフには4年契約を結んだ。「複数年契約をしましたが、意識は変わらない。1年1年が勝負だと思っている。いけるところまでいきたい。止まったらマグロと一緒のように死んでしまう。泳ぎ続けたい」。より強い責任感で、常勝軍団をけん引していく。

▼74年にプロ野球でセーブが採用されてから、昨季までシーズン30セーブ以上を記録した投手はのべ107人いる。このうち、シーズンを無敗で終えたのは97年の横浜・佐々木(3勝38セーブ)と09年の日本ハム・武田(3勝34セーブ)の2人だけ。森が30セーブ&が無敗を達成すれば、3人目の快挙になる。