日本ハムのニック・マルティネス投手(29)が、完全復活へ上々のスタートを切った。

4日、沖縄・名護キャンプ初のブルペン入りで、捕手を座らせて31球を投げた。変化球も交え「体に関しては今のところ問題ない。いい状態」。昨季は開幕直前に右前腕を痛めて、シーズンを棒に振った。「去年はつらかった。今年は頑張っていこうと思う」という気持ちを、栗山監督らが見守った最初のブルペンで体現した。

空白の1年を埋める活躍をすべく、ケガをしない投球フォームを研究した。1月中旬に米シアトルにある「ドライブライン」を訪問。データ分析を駆使した最先端野球トレーニング施設で、昨季までのフォームを解析した。「非効率的な投球フォームだと指摘を受けたので、そこを克服しようかなと取り組んでいる」。指摘されたのは2つ。股関節が閉じ気味になり、右腕を振るタイミングが遅れてしまうことと、右腕の振りが大きすぎるということ。

自分の肉体に適した投球フォームに改良することで、故障のリスクを軽減する狙いがある。キャンプ前には9回ほどブルペン入りし、新フォームも快調。栗山監督も「グレートでした」とひと安心。順調なら開幕ローテの一角を担うマルティネスは「試合に出させてもらえるなら、どの場面でもチームに貢献したい」とけなげに意気込む。18年の10勝右腕がカムバックすれば、4年ぶりの覇権奪回への見通しも明るくなる。【木下大輔】