完全復活への発見があった。オリックスT-岡田外野手(32)がオープン戦チームトップの3本塁打を放ち、手応えを感じ始めている。「良いものが出せて良かった。開幕したら、もっと良いものを出せるようにやっていきたい」。豪快な1発に加えて、27打数8安打9打点、打率2割9分6厘と確実性も増してきた。

復調の兆しが見えたのは、13日阪神戦で藤川から放った本塁打だ。試合前の練習中、後藤打撃コーチから「楽に構えられるようにしたらいいんじゃないか?」と投球を待つ際のバットの位置を指摘された。この助言もあって、背中側に倒していたヘッドをやや三塁ベンチ側へ起こし、さらにゆらゆらと揺らすことでタイミングが取りやすくなった。

もともと手と足を両方動かしながらタイミングを取るタイプ。プチ改造でいい感触が出た。T-岡田は「いつでも動き始められるような準備です。自然と動いている方がベスト。試している段階です」と説明。この“リラックス打法”で、15日阪神戦も青柳からバックスクリーンに放り込み「完璧でした」と笑った。

後藤打撃コーチは「見て、感じたことを伝える。後は彼がどう決めるか。その繰り返しだから」と親身に練習に付き添い、背中を押す。「やることが去年より明確になってきたんじゃないかな」。昨季は出場20試合に終わり、打率1割2分、1本塁打、2打点と沈んだ男の復活を静かに願う。

T-岡田は「レギュラーを確約されているわけでないので、信頼されるように頑張ります」と力を込める。元本塁打王。眠っていたバットから火を噴かせる準備を整えている。【真柴健】