西武ザック・ニール投手(31)が、画伯になる。自主練習が続く中で、昨季チーム最多となる12勝を挙げたニールは「重たいボールを家に持って帰ったりして、トレーニングができれば。練習ではゲーム感覚に近いものにして、ブルペンで投げられたらいい」と未定の開幕まで今後の練習を想定。試合がない日々に、自然と持て余す時間も増えるが「絵が好きだから、そういう時間に充てられたら」と思わぬ才能を明かした。

米国・コロラドにある自宅では、アートコーナーが設置され、自らも描くという。来日した昨季も、絵画教室に顔を出し絵を描いた。「インディアンとかそういう文化がすごく好きなんだ」と、色鮮やかな先住民の絵を披露。油絵、水彩画など、投球スタイル同様に多彩な絵が描けるほどの腕前だ。「日本に来てから、そういう機会も少なかったから、しばらくは家で絵を描く時間ができた」と、球を筆に替えリラックスのひとときを過ごす。

世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で、張り詰めた空気感が漂うが、ニールは穏やかにいう。「タフで厳しい状況だ。こういう状況で人は2つに分かれる。ポジティブに前を向けるか、不満がたまって怒りを向けるか。でも、それで何かができるようになるわけじゃない。だから前を向くしかないんだ」。キャンバスと向き合い、等身大の自分と向き合い、平静を保ちながらいつか終息することを願っている。【栗田成芳】

◆ザック・ニール 1988年11月9日、米国サウスカロライナ州生まれ。16年アスレチックスでメジャーデビュー。19年西武入団。同年は外国人記録に並ぶ11連勝をマークし、リーグ連覇に貢献。今季推定年俸1億2000万円。191センチ、95キロ。右投げ右打ち。