シーズン仕様で開幕に備える。開幕ローテーション入りが期待される日本ハム杉浦稔大投手(28)が、オンライン取材を通じて、自主練習期間中もシーズン同様の調整法を継続する意向を明かした。

通常、シーズン中の先発投手は中6日での登板を意識して、状態を維持する。昨季は10日に1度ほどのペースで自己最多の14試合に先発。先行きの見えない中、ローテ投手として飛躍への土台を作る。

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ゆっくり、着実に先発ローテ投手としてのステップを上がる道産子右腕に、気の緩みはまったくなかった。新型コロナウイルスの感染予防から自主練習を強いられている現在、自宅のある札幌市内を拠点に汗を流す日本ハム杉浦は「特にペースを崩すことなくやっています」。中6日で試合に登板することを想定。“仮想試合”の前日と、その前の週2度、室内練習場でブルペンに入り、精力的に投げ込みを行っている。

本来ならば、既にシーズンは開幕している。開幕延期により、ぽっかりと空いた期間を「自分の体をもう1度、見つめなおす時間」と前向きに捉えて、トレーニングに励む日々だ。

今季プロ7年目。毎年のように相次ぐ故障に泣いてきた。状況が好転したのは、17年途中に日本ハムへ移籍してから。栗山監督をはじめとした首脳陣の理解により、中6日ではなく、登板間隔を通常のローテーション投手よりも開けながら登板数を重ねてきた。18年こそ3試合の先発に終わったが、19年は10日に1度ほどのペースで自己最多の14試合に先発し、4勝4敗。今季、中6日で先発枠を守るか、あるいは昨季3試合だったQS(クオリティースタート=先発6回以上、自責点3以下)を、どこまで増やせるかによって、チームの戦力は大きく変わる。

昨季は被打率、被出塁率ともに、チーム先発陣ではエース有原に次いで少なかった。柱になり得る才能を持つ背番号57は「(開幕が)いつになってもいいように、しっかりと、あまり体を怠けさせないように」と口元を引き締める。「気持ちの持ちようで、しっかりとできる人との差が出る。言い訳しないようにしたい」。開幕からシーズンを通して先発枠を守ることで、一流への仲間入りを果たす。