ソフトバンク和田毅投手(39)が、葛藤を抱きながらファンのため前を向くことを強調した。

14日、ペイペイドームで自主練習を行い、ウエートトレーニングや体幹トレーニング、ランニング、キャッチボールと基本的なメニューを約3時間こなした。オンライン取材では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で緊急事態宣言が出ている福岡で練習している複雑な思いも口にした。

和田 何でやっているんだという声もあるかもしれない。仕事が休業となっている状態で、我々もするなと言われても仕方ない状況の中で、こうやって野球をしていることを考えれば、開幕という言葉を軽く言えることはできない。ただ、僕らが野球をやる中で(ファンが)勇気や元気をもらえるというのであれば、開幕した時に自分が100%の姿を見せられるように、今はしっかり調整していくしかない。

ゆっくりと自分に言い聞かせるように言葉を連ねた。3月31日からチームが活動休止を決めた。8日までは自宅でカレーを作るなど料理にも挑戦したが、コンディションの維持は欠かさなかった。9日から始まった自主練習も12日の休日をのぞいて5日目。「自主練習が始まっても思ったより動けている。1週間内にもブルペンに入れる状態でもいる」。社会の状況との葛藤はあるが、前を向いた。

島根・浜田高の先輩で、新型コロナウイルスに感染して入院中の梨田昌孝氏(66=日刊スポーツ評論家)に対しては「必ず良くなって、またペイペイドームに来ていただけると信じています」と1日も早い復帰を願った。「みんなでコロナと闘っていかないといけないと思います」。プロ18年目の左腕の言葉に決意が込められた。【浦田由紀夫】