阪神陽川尚将内野手(28)が25日、甲子園での自主練習後にオンライン取材に応じ、無観客でも“ゴリラ・ポーズ”を継続する考えを明かした。「どういう形で開幕するかわからないですけど、無観客であればテレビ越しで見る人はいっぱいいると思う。そういったパフォーマンスは続けていきたいと思います」。

ホームランを放ったハイタッチの列。両手で胸をたたくパフォーマンスは、虎党にもおなじみで、矢野監督もマネて迎える。「ファンに喜んでもらえるようなパフォーマンスができるようにやっていきたいと思います」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、プロ野球は史上初の無観客での開幕を迎える可能性が高い。そんな前代未聞の状況下でも、陽川はファンとの一体感を求める。

今季のオープン戦は打率4割と好調。その後の練習試合を含めても15試合で3割7分5厘、3本塁打12打点と猛アピールし、開幕1軍をたぐり寄せていた。だが、好調時に訪れたコロナ禍で開幕は延期。「開幕してほしかったという気持ちはありました」。正直に明かしつつ「もうひとつレベルアップの時間はいっぱいできた。そこはプラス思考に考えて」と前を向いた。

活動休止期間中も野球のことが頭から離れなかった。「やっぱり時間があれば野球のことを考えました」。自身の打撃動画を見て研究したほか、モチベーションアップの本も読み込んだという。この日のフリー打撃では、28スイングで左翼中段を含む6本の柵越えをマーク。好調キープで、開幕後に“ゴリラ・ポーズ”をさく裂させる。【只松憲】

<阪神の主なポーズ>

◆新庄ガッツ 新庄剛志はホームランを打った直後の守りに就く際、右拳を握ってファンにガッツポーズ。新庄コールの中、満面の笑みが大観衆を魅了した。

◆グラティ 13年に西岡剛と関本賢太郎が発案。ホームランを打った打者が戻る際、ベンチ前で外野スタンドへ向かってナイン総出で両手を差し出すパフォーマンス。英語で感謝を意味する「Gratitude」をアレンジ。

◆コマネチ 助っ人ゴメスは14年、本塁打を打つと、同僚の今成亮太とベンチ前で両手とお尻を合わせた後に、「コマネチ!」ポーズ。かつてビートたけしが繰り出した往年の一発ギャグをコピーした。

◆矢野ガッツ 矢野燿大監督自ら、得点などの際にガッツポーズを披露している。19年に侍ジャパンのコーチを務めた清水雅治ヘッドコーチがメキシコチームのパフォーマンスを観察。「選手たちが盛り上がっていていいな」と発案し、ナインも呼応して矢野阪神のシンボルになっている。