広島田中広輔内野手(30)が27日、マツダスタジアムで行われたA班野手の練習に参加した。昨年8月に手術した右ひざの状態はすでに回復。先延ばしとなっている開幕まで、さらにパワーアップさせるつもりでいる。

気温の上昇とともに、ひざ周りの筋肉量も上がっている。全体練習終了後には個別で患部周辺の筋力を強化。練習前には入念なストレッチ、個人アップも欠かさない。「しっかりとトレーニングができていますし、周りの筋肉もだいぶ付いてきた。動きに制限がなくなってきている。打撃や守備でも粘りが出てきている」。痛みを抱えていた昨年の今頃とは比べものにならない。今年の2月よりも球際の強さを感じている。

今年から就任した選手会長としても、4班に分かれた分離練習でチームをまとめることが難しい状況にある。「選手たちが自覚を持ってやっていると信じている。何かあれば連絡してくれれば。いい方向に持っていけるようにやっていきたい」。チームメートを信じ、今は自分の成長に重きを置いている。

開幕はまだ見えない。ゴールの見えない調整が続く。「少しでもプラスにとらえてやるしかない」。ピンチをチャンスに変える。患部を完治させるだけでなく、この期間を利用して右ひざをより強くして完全復活を目指していく。