阪神のネクストブレークは誰? 日刊スポーツはこのほど「極トラ・プレミアム」のツイッターで今季ブレークを期待する選手についてアンケート実施しました。投手、野手に分けて行った投票の結果、1位に選ばれたのは成長著しい左腕と足のスペシャリストでした。

<投手編>

投手編の選択肢は高橋遥人、谷川昌希、望月惇志、浜地真澄の4人。1162票の投票があり、約75%を集めたのが「花丸ストレート」が代名詞の高橋だった。

亜大からドラフト2位で入団した1年目の18年は2勝3敗で、19年は3勝9敗。ともに防御率3点台ながら勝ち星に恵まれない不運もあったが、伸びのある直球が最大の武器かつ魅力だ。打者の左右を問わず厳しいコースに白球をどんどん突き刺す。今春のキャンプでは真っすぐにさらに磨きをかけた。2月16日に楽天との練習試合に4番手で登板し、3回3安打無失点で試合を締めた。奪った4三振は全て見逃しで、いずれも直球。「花丸です」と自賛するほど自信を深めた。

先発投手の成績評価項目の1つ、クオリティースタート(QS、6回以上で自責3以下)は通算25試合のうち13試合あった。先発の役割は半数以上で果たしている。さらに昨季の1試合あたりの平均援護点を見ると、100イニング以上投げた投手では12球団最低の2・05点だった。リーグで最も多かった巨人山口は6・19点もあり、高橋への援護点はその3分の1にも満たなかった。仮に高橋に3点以上の援護点があれば、勝敗の数字が逆転する可能性もあった。

まだ24歳の若き左腕。投票総数の4分の3を集めた事実に、虎党からの期待の高さがうかがえる。球団では16年の岩貞以来となる、左腕の2桁勝利を目指す。

<野手編>

野手編の選択肢は植田海、島田海吏、熊谷敬宥、小幡竜平の4人。1617票の投票があり、約53%を集めたのが6年目の植田だった。

「代走のスペシャリスト」として18年に19盗塁。19年は1軍にフル同行して81試合のうち79試合が途中出場ながら12盗塁を決めた。昨季の阪神はリーグ最多の100盗塁を決め、さらなる超積極な走塁を目指している。植田は矢野阪神に欠せないピースになっている。

通算では32盗塁にとどまるが、特筆すべきは成功率だ。18年は19盗塁(盗塁死2)で成功率は9割5厘。同年2桁以上記録したセ・リーグの選手の中ではトップで、12球団で見ても1位の日本ハム西川の9割3分6厘に次ぐ成功率だった。

ブレークのカギを握るのはやはり打撃だろう。チーム唯一のスイッチヒッターだが、通算打率は2割5厘。守備力も高いだけに、打撃力がアップすれば、相手にとってさらに嫌な存在になる。

4月19日に24歳の誕生日を迎えた植田は「去年は途中出場が多かったので、今年は1試合でも多くスタメンとして出場できるように」と誓いを立てた。若きスピードスターが、猛虎ファンの期待に応える。