西武金子侑司外野手(30)が「甲斐キャノン」を突破して、3度目の盗塁王と優勝を目指す。

7日、埼玉・所沢のライオンズトレーニングセンターで自主練習。マシン打撃を行った後、1時間以上をウエートトレーニングにあてた。ウエートトレは現在の自主練習のテーマで「打つ時のインパクトの強さ」「(走りだすときの)1歩目のスタートの力強さ」を強化している。スタートの力強さが増せば3度目の盗塁王も見えてくる。同僚水口とともに和気あいあいとメニューをこなし「水口トレーナーと楽しく、でもひたむきにやっています(笑い)」と笑顔を見せた。

「やっぱり意識はします」と明かしたのは、ソフトバンク甲斐。一塁からスタートを切った直後「捕ってからがやはり速い」と感じるスピードで、送球が目の前を通過するのだという。昨年の“対戦成績”は6度の盗塁企図で3勝3敗。「とにかく(送球の)正確性が高いです。投手のクイックが多少緩いなと感じても、それをカバーする力があるので」と振り返った。

特に印象に残る盗塁がある。昨年のソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦。1点リードで迎えた4回2死から決めた二盗だ。「スタートを切った瞬間に、ものすごいライオンズファンの歓声が聞こえてきて、走っている間も、セーフになった瞬間も、ものすごく盛り上がっていただいた」。

現在は実戦形式で盗塁を試みる機会はないが「盗塁成功の感覚を持つのは難しいですが、全体練習が始まるまでに、しっかり動けるようにしておくことですね」と前を向く。「自宅で入浴、半身浴をしたりマッサージをしたり…」と黄金の足のケアもしっかり行っている。

今は3度目の盗塁王、そしてリーグ優勝に向けての準備期間。「あの大歓声の中で盗塁を決めたいですね」。今季も並み居る強肩を相手に盗塁を決め、勝利をたぐり寄せる。