待望の開幕に向け、指揮官が動いた! 佐々岡真司監督(52)が19日、監督就任後初めて打撃投手を務めた。A班野手の全体メニュー終了後、鈴木誠、ピレラ、野間ら6選手を相手に約30分、右腕を振り続けた。現役時代には先発100勝100セーブを記録したエースが往年の投球フォームから宝刀カーブも披露。22日から実戦形式の練習を再開する野手のために、指揮官が一肌脱いだ。

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グラブをはめた左手を引くのでなく、下ろしながら投げる往年の投球フォームを披露した。佐々岡監督が居残り特打に参加した鈴木誠や新助っ人ピレラら6選手を相手に約30分間、約150球の熱投を見せた。2軍投手コーチだった18年以来、監督就任後では初の打撃投手。22日から実戦形式の練習が行われる野手を鼓舞した。

指揮官は屋内練習場で抑え候補のフランスアとキャッチボールを終えると、グラウンドに戻った。そしてグラブを手にマウンドに向かった。「軽い気持ちだよ。昔はなかなかいいカーブを投げるって言われたけどね。(今は)大したことないよ」。謙遜したが、現役時代にセ・リーグの強打者をきりきり舞いにさせた宝刀カーブや、ツーシーム、チェンジアップなどの変化球も交えた。100勝100セーブを記録した大投手との対戦に、選手は思わず笑顔になった。野間は「ありがたいですし、いい練習になりました。今まで見たことないくらいのカーブでした」と喜んだ。

佐々岡監督は就任時から掲げる「一体感」を自ら実践する。4班の分離練習では担当外のB班練習日に休日を返上してスタンドから視察。分離2班制に戻った初日の17日も、午前組が終わった後も球場に残って、スタンドから午後組の練習を視察した。選手と直接コミュニケーションがとれなくても、状態把握に努めた。

先延ばしとなっているシーズン開幕は最短で6月19日。「投手だけでなく野手も競争になると思う。限られた試合数から絞り込まないと。(開幕が最短)19日であれば1カ月で考えないといけない」。21日からA班とB班が同時間に練習する集合練習が始まる見込み。22日にはシート打撃も予定される。開幕へ向けた段階は着実に上がっていく。【前原淳】