甲子園優勝投手の日本ハム斎藤佑樹投手が、高校3年の球児へ仲間の大切さを説いた。千葉・鎌ケ谷でオンライン取材に対応。20日の甲子園中止発表に「(球児は)次に進むために、今の気持ちを一生大事にしてほしい。すぐ前を向いてっていうのは厳しいでしょうけど、やっぱり貴重な経験として生きてくることなのでアマチュアスポーツに尽力してほしい」と話した。

自らに置き換え、心境を巡らせた。「もし甲子園がなかったら、仲間が3年間いてくれて良かったなって思いがあると思います」。06年、早実で大会史上最多となる7試合69回を投げ、決勝の駒大苫小牧戦では再試合の末に優勝。そこに、仲間の存在は不可欠だと今も痛感する。「仲間と3年間過ごした日々が1つ1つ思い出ですし、他を引いて甲子園優勝だけというのは僕にはあり得ない」。

甲子園中止にあたり、早実のチームメートとオンライン通話で「何かをやってあげたい」と2、3時間の白熱したトークを広げた。可能性を秘めた球児へ。「次のステージとして大学野球に行って、また活躍することが楽しみだなと、一ファンとして思います」。輝く未来へ向けて背中を押した。【田中彩友美】