もう代役とは言わせないん弾! 阪神大山悠輔内野手(25)が、3試合連続の4番起用に応える豪快なアーチを放った。

近本の先頭打者弾などで逆転し、2-1で迎えた1回の第1打席。1死走者なしで、先発大貫の3球目、137キロカットボールを振り抜いた。「2点逆転してすごく勢いに乗ってるところだったので、その流れに乗ってスイングした結果がホームランだった」。打球は降りしきる雨を切り裂き、ファンがまばらに座る左翼スタンドへ。リードを広げる3号ソロになった。

4日の広島戦で、左ふくらはぎの張りを訴えたマルテに代わって途中出場し、今季1号。矢野監督は翌日、ボーアではなく大山に主砲の席を渡し、翌5日に2戦連発で応えた。「マルテのけがでチャンスが巡ってきましたけど、そこで自分の結果を残さないと生き残っていけない」。危機感を持って打席に入り、これで4戦3発。虎の和製大砲が赤丸急上昇の量産態勢だ。

マルテに開幕三塁を譲り、必死に出場機会を求めた。6月中旬、打席確保のため2軍の名古屋遠征に同行。同11日に2軍戦が雨天中止になると、中村2軍外野守備走塁コーチから雨の中、左翼でノックに励んだ。「1試合1試合必死にやるだけ」。本職でなくても試合に出れられればいい。そんな気概を見せ続けていた大山に結果がついてきた。

この日から有観客試合となり、ファンの前で4番はオレをアピールする強烈アーチを放った。「うれしかったです」。雨の甲子園で「4番大山」が輝いた。【只松憲】