鯉党のみなさんお待たせしました! 14日巨人戦(マツダスタジアム)に先発予定の広島九里亜蓮投手(28)が、本拠地初の有観客試合の登板を心待ちにした。13日は、マツダスタジアムに隣接する室内練習場で行われた投手練習に参加し調整。試合観戦を待ちこがれたカープファンの前での快投を誓った。

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待ちに待った試合だ。マツダスタジアムでは14日が有観客試合の初日。最大で5000人のファンが観戦する。約4カ月の間、空席の球場で投げ続けてきた九里にとっても、待望の先発マウンドだ。

「お客さんが入るということは本当にうれしいこと。良いプレーを見せられるように頑張りたい。(無観客とは)全然違うと思う」

雨天中止による試合延期の影響もあり、2日ヤクルト戦以来、中11日での登板となる。前回登板では2本塁打を浴びるなど5回4失点と課題を残した。会沢から変化球を投げる際に「(腕が)横振りになっている」との助言を受け、試合の映像を入念に見返して修正に取り組んだ。「へんに変化球を大きく曲げようとするのではなく、しっかり縦振りで投げていけるようにということを意識してやってきました」。

今季初登板した6月24日巨人戦(東京ドーム)では7回1失点の快投で今季初勝利を手にした。しかし「前のことは前のことだと思う。長打を打てる打者が多いので、1人1人としっかり勝負をしながら、というところは変えずにやっていきたい」と引き締めた。

この日は直球の質の向上を目的に、平面の練習場で長い距離で投球練習を実施した。捕手を座らせ、18・44メートルの距離から徐々に伸ばし、最長約30メートルの距離で真っすぐのみを投げ込んだ。通常よりも長い距離で投げることにより、捕手のさらに奥へと投げるイメージを体にたたき込み「なるべく確率高くシュート、スライダーの回転にならない感じで、しっかり線を出していくイメージでやってます」と明かした。

地元ファンにとっての“開幕戦”へ向け「自分の持っているものをマウンドで出した中で、1イニングでも長く投げられるようにやって、チームの勝ちに貢献できるような投球をしたい」と力を込めた。待ちこがれた環境で今季2勝目を目指す。【古財稜明】