巨人の4年目右腕、高田萌生投手(22)と楽天のサイドスロー左腕、高梨雄平投手(28)のトレードが合意に達したことが14日、発表された。両球団間のトレードは、ゼラス・ウィーラー内野手(33)と池田駿投手(27)に続く今季2例目になる。

以下が楽天石井一久GM(46)の一問一答

-高田投手に期待する部分は?

石井 高梨選手と高田選手はキャリアが全然違いますし、みなさんどう思っているか分からないですけど、高田選手はかなり有望な選手で、ジャイアンツの中でもプロスペクトの選手だったと思います。イースタンの中でも僕の知る範囲ではトップレベルの投手でまだ若いので、期待するというよりはこれからローテーションに入ってくる逸材。球もアベレージで高いですし、いろんな変化球を持っている。今、大学4年生の年なので、これからのイーグルスのローテーションに入ってくれれば。

-トレードの趣旨は?

石井 ジャイアンツさんは即戦力で左の高梨投手がほしいという話だった。ウチとしてはここ何年かドラフトで獲得した選手がなかなかローテーションに入ってくることができず。高田選手が今年大学4年生でドラフトにかかったとしたら1位、2位で消える逸材だと思うので。すごく期待している。僕はスポット的な優勝というよりは、優勝争いをする中で次の年もその次の年も、中期的に選手がいることが常勝軍団として成立するところだと思うので、そういう狙いがあって獲得しました。

-高梨は開幕から出場機会がなかった。いつも言うように出場機会のあるところで頑張ってほしいということなのか?

石井 そこは絶対的なトレードの趣旨なんですけど。僕の中では分配ドラフトとかいらなくて。本当に選手がしっかりと次の球団にいった時にワークするかという話なので。逆に他の球団に行っても出場機会がなければトレードは行わないですし。他に行った選手がしっかりと仕事ができていることが野球選手として必要な環境だと思う。高田選手もこれからしっかりと上のローテーションに入れるようにこれからサポートしていきます。

-なぜ左投手を放出したのか?

石井 左打者に左投手というナンセンスな時代ももう終わっていると思いますし、今はイニングを稼げる投手がすごく必要。右投手をトレードで出せば何も言われないですけど、左投手だと言われるのはちょっとおかしいと思います。左投手の役割はこれからみなさん考えていくべきだと思います。ウチの方針はしっかりと1イニング投げられる投手が今必要。左とか右とか問わず、とにかく1イニング投げられるピッチャーがすごく大事。それ以上に先発ピッチャーでなかなか次の世代が手詰まりしている状況が、僕が来た時点であったのでトレードに至った。

-トレードをするにあたってメジャーでの経験が大きいのか?

石井 心ない人は僕をすごく批判するんですけど(笑い)、やっぱり僕も選手だったので出場機会がある中でできることでパフォーマンスが上がったりしますし、ここでやるとチャンスがあるんだと感じてもらう方が練習にも身が入る。現時点でウチのチームにいる選手は僕たちの大事な戦力。でもその中でもチャンスがない人も実際存在するので、そういう選手が他の球団に行った時にしっかりワークできるのであれば、そういうふうなチャンスを与えたいなと思います。ただ決してアメリカかぶれしてやっているわけではない。

-藤平ら次の世代の若手先発候補への奮起をうながす意図もあるのか?

石井 それは狙いとしてはあります。順番待ちをしていればいつかローテーションに入れる甘い世界ではないので、高田選手が入ったことで僕も負けないぞという気持ちを持ってもらうことは狙いとしてはあります。またお互い切磋琢磨(せっさたくま)してローテーションに入ってくれれば将来的に希望がもてるんじゃないかなと思います。