主将のガッツも、連敗阻止にはつながらなかった。日本ハム西川遥輝外野手(28)が1回、史上46人目となる通算250盗塁を決めた。中前打で出塁して二盗。四球で出塁した8回にも251個目の盗塁をマークするなど、自慢の俊足で湿りがちな打線を鼓舞したが、有観客での本拠地初戦を白星で飾れず。チームは今季初の4連敗となった。

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北海道のファンが待ちわびた本拠地初の有観客試合で、背番号7が本領を発揮した。0-1の1回、中前打で出塁した日本ハム西川は、続く大田の打席で二盗を決めて、通算250盗塁を達成。四球で出塁した8回にも251盗塁目を記録するなど、自慢の俊足を披露した。「ファンの前で走ってる姿を見せられたのは、良かったです」。打撃でも2戦連続のマルチ安打。連敗を止めることはできなかったが、主将として戦う姿勢は示したつもりだ。

通算盗塁成功率は、史上最高の8割6分3厘。250盗塁以上で成功率8割超えは、西川を含めて5人しかいない。今季は6月25、26日楽天戦(楽天生命パーク)で珍しく2戦連続失敗も、走塁の安定感は衰え知らず。「減る数字ではないので、これからも1つ1つの積み重ねを大切にしていきたい」と先を見据えた。

チーム盗塁数はリーグ最小で、機動力を武器にしていたのは、もはや過去の話だ。今季は1軍走塁コーチが不在で、その代わり昨年の秋季キャンプでは西川が走塁技術をチームメートに伝授した。小笠原ヘッド兼打撃コーチは「走れる選手が少ないから、彼が塁上をにぎわせてくれると助かる」と感謝する。

栗山監督は「ハルキの能力からすれば通過点。福本豊さんは『年を取れば取るほど、盗塁って面白いんだ』と言っていた。そういうところに向かってくれたら」と“世界の盗塁王”を、引き合いに出した。借金は4に膨らんだが、背番号7の足がある限り、浮上への道は必ず開けるはずだ。【中島宙恵】