あわや、屈辱的な負けを喫するところだった。ソフトバンクが楽天涌井に9回1死まで無安打。代打川島の中前打で12年オリックス西に許して以来のノーヒットノーランは阻止したが、二塁も踏めず1安打完封された。首位争いで痛い連敗を食らい、同率首位に並ばれた。工藤公康監督(57)は「このピッチングされたら、そうそう点を取れるものではない。(川島は)よく打ってくれました。あの1本がまた明日につながると思う」と前を向くしかなかった。

断を下して挑んだ一戦だった。不調の松田宣を今季初めて先発から外した。シーズンでは18年6月1日のDeNA戦以来、2年ぶりだ。今季は開幕から打撃不振で打率は2割台前半。工藤監督は「涌井君にはここ3年打てていないということだったので」と、相性も考慮し決断した。9回の代打で空振り三振に倒れたが「彼にはやってもらわないといけない」と復調を期待した。

負ければ首位陥落の今日6日は、7月に5連敗した木曜日。課題となっている先発ローテーション谷間に、若い笠谷を投入する。「明日なんとか、今日負けた分を取り戻す気持ちでやりたい」。楽天に首位は渡せない。【山本大地】