中日大野雄大投手(31)がエースの意地を見せた。巨人打線を9回5安打1失点に封じ、プロ入り初の2試合連続完投勝利で2勝目をゲット。チームの連敗も3で止めた。

最後まで表情を緩めるなかった。9回先頭坂本を遊ゴロ、主砲岡本はフォークで空振り三振。最後の打者ウィーラーを137キロのツーシームで見逃し三振に打ち取っても不変。女房役の木下拓がマウンドに駆け上がるのを確認して、やっと笑顔がこぼれた。

「(2試合連続完投は過去)どうだったかなって思いながら投げていた。前回完投したけど、次の試合が大事。最後まで投げられてうれしい」。丸、坂本、岡本らが並ぶ巨人の看板たちを、12打席無安打5三振に封じた。球団では12年8月の吉見以来8年ぶりの2試合連続完投勝利だ。開幕投手を任されながら6戦勝ち星がなかった。だが、開幕から1人ローテを守る左腕が、渾身(こんしん)の2連勝で逆襲モードに入った。

打席でもチームを鼓舞した。2回2死一、二塁の第1打席では先制の中前適時打を決め、京田、大島の連続三塁打へつないだ。「食らいついた。スライダーを待っていたんですが、真っすぐを打ってしまいました」。3連敗したDeNA戦で合計2得点と沈んでいた打線が、首位相手に9安打7得点。自身16年4月8日以来のタイムリーヒットが、打線にも活力を与えた。

このままなら8月はあと2試合、巨人戦に登板見込みだ。「良かったら次、(さらに)良かったら次を求めていきたい」。エース復肩の首位たたきで、さあ再浮上だ。【伊東大介】

▽中日与田監督(大野雄について) 8回に確認したら『行きます』と。勝てなくても、頼もしく見ていた。エースの力がある。

▽中日木下拓(大野雄の連続完投をリード) 大野さんの状態がよく、初回から気合が入っていたので、僕も引っ張ってもらいました。