阪神近本光司外野手(25)が、2打席連続適時打を含む今季2度目の4安打固め打ちだ。6試合連続安打の8月は打率4割8分で、リーグトップの月間打率とバットに熱を帯びている。

「1番中堅」で先発出場し、6点を追う3回1死二塁の第2打席。この試合が初対戦となった先発森下の高め直球を中前に運び、反撃の適時打とした。5回1死一、二塁でも、森下を攻略。外角カットボールを仕留めて左翼線への二塁打とした。「いい流れで回ってきたので、とにかく後ろにつなごう思って打ちました」。7番木浪から始まった3連打の流れに乗って、2打席連続適時打。4連打で3得点を返して、広島に食らいついた。

7回は快足を飛ばして遊撃への内野安打として、これでチーム最多4度目の猛打賞をマーク。9回は先頭で中前へはじき返した。開幕から打撃不振で一時はリーグ最下位にも位置した打率は、2割7分1厘まで戻してきた。

気温の上昇とともに調子を上げてきた。月間打率は6月から徐々に上向き。8月に入ってからは25打数12安打と打ちまくっている。井上打撃コーチは「オレらが放っておいても、いろんなこと考えて練習するタイプ。そういった中で、これだという気づきもあっただろう。こんな感じで打っていた、というのを思い出したのがちょっと見えてきたかな」という。近本自身は好調の要因を、ファーストストライクから打ちにいけている積極性と分析。この日も5打席中3打席でファーストストライクにバットを出した。昨季はリーグ新人最多安打を更新した背番号5。好球必打の姿勢で、本来の姿を取り戻している。

チームは苦しい8月となっているが、好調近本は打線の呼応を信じて打ち続ける。【奥田隼人】