ソフトバンク東浜巨投手(30)が力尽き、再び首位に並ばれた。

7回途中、逆転を許して降板した右腕はベンチに戻り、静かにタオルを手に取った。拭いてもぬぐい切れないほど、汗でびしょ濡れの髪を拭いた。「7回は踏ん張らないといけなかった。申し訳ないの一言です」。短いコメントが悔しさを物語っていた。

同学年の楽天エース則本との投げ合い。5回までは無失点で3点リードを保ったが、6回にロメロに2ランを被弾して風向きが変わった。7回は2四球で走者をため、ルーキー小深田に逆転三塁打を許した。後続にも打たれ、7回途中5失点で今季初黒星を喫した。

開幕投手も務めた右腕は、新型コロナウイルス感染者が出た影響などで揺れるチーム状況を理解し、熱い思いでこの試合に臨んでいた。登板前日には「世の中がこういう状況で、その中でプレーできることを当たり前と思ってはだめ。与えられたところで全力でプレーするのがぼくらの役割だと思う」と話していた。思いが強かった分、勝負どころで踏ん張りきれなかった悔しさが大きい。

東浜が先発した試合はここまで5連勝中だった。チームが敗れるのは6月26日西武戦以来、1カ月半ぶりだ。チームは再び楽天に並ばれたが、まだ同率首位にいる。工藤公康監督は「抑えるところは抑えている。明日につなげることが大事だと思います」。引きずらずに、気持ち新たに次戦に臨む。【山本大地】