「らしさ」凝縮の1発! DeNA佐野恵太内野手(25)が、同点の5回2死二塁でヤクルト小川との12球の攻防を制し、バックスクリーンに決勝7号2ランをたたき込んだ。新キャプテンの活躍で2位に再浮上。敗れた首位巨人とのゲーム差を3に縮めた。

フルカウントでも慌てなかった。持ち前の選球眼とバットコントロールで際どい球をカット。6球ファウルで粘った末の12球目、外角低めの129キロスライダーを完璧に捉えた。「狙い球というより、コンパクトに三振しないように心掛けながら、粘ることができて良かったと思います」。ポーカーフェースの小川も、しのぎ合いに屈し悔しそうな表情を浮かべた。

開幕28試合目となる7月22日ヤクルト戦(横浜)で12球団の開幕4番で“最遅1号”を放ってから、16試合で7本。本塁打のペースを上げても「大きいのを狙うと、ろくなことがないので」と自分を見失うことなく、3割5分8厘で首位打者をキープしている。

見守ったラミレス監督も「菅野からの本塁打を思い出したよ」と笑った。7月28日巨人戦(東京ドーム)で、エースから8球粘った末に4号ソロを放った光景がよみがえった。1日阪神戦(甲子園)でも西勇から決勝5号2ラン。看板投手を沈める1発が続くが「チャンスでも大振りせず、ランナーをかえす打撃ができている」。あくまでも「つなぎの4番」の意識が「決める4番」につながっている。【鈴木正章】

▽DeNAラミレス監督(佐野の決勝弾に)「見ていて(巨人)菅野からの本塁打(7月28日)を思い出した。素晴らしかった」