26日DeNA戦(マツダスタジアム)で先発予定の広島ドラフト1位森下暢仁投手(23)が、大勢の鯉党の視線をくぎ付けにする。24日、マツダスタジアムで行われた投手練習に参加。25日から本拠地の定員50%にあたる1万6500人が来場可能となる。チームトップの6勝を挙げる黄金ルーキーが、今季初観戦のファンも多いと予想される試合で、7勝目を目指す。

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マツダスタジアムに集結する1万6500人の熱視線が、背番号18の黄金ルーキーに向けられる。これまでの5000人の入場制限が緩和され、本拠地では25日から定員の50%が来場可能となる。26日DeNA戦に先発予定の森下は「やっぱり(多くのファンが)いた方が、プロ野球感がまた出てくるのかなという気はします」と心待ちにした。

プロ1年目の今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が遅れ、無観客で開幕。7月10日から上限5000人の有観客となった。環境が刻々と変化する難しいシーズンにも動じることなく、着実に勝ち星を重ね、新人ながらチームトップの6勝をマーク。目標の新人王争いでも有力候補に名を連ねており、巨人戸郷とデッドヒートを続けている。

先発投手陣の苦戦が続く中、森下は随一の安定感を誇っている。ここまで登板12試合中9試合でクオリティースタート(QS、6回以上、自責点3以下)を達成。先発として心がけていることは「やっぱりゲームつくることですかね。ゲーム作ったらそういう勝ち負けが付くゲームになると思う。そこをものにできるような投球をしたい」と力を込めた。

ヤクルト、巨人を相手にした東京遠征6連戦は1勝5敗に終わった。唯一の勝利は森下が先発し、7回2失点と力投した試合だ。敗戦の5試合は、先発がQSを達成できず、厳しい試合展開を余儀なくされた。森下は「週に1回しか自分の出番はない。中継ぎ、抑えの人は大変だと思うので、自分がゲームを作って、できるだけ長いイニングを投げられたらいいなと思ってます」と引き締めた。

チーム、そしてファンも「勝利」に飢えている。「やっぱり勝てるような投球をして、チームに貢献できるようにやっていきたい」。多くの鯉党を魅了する快投を誓った。【古財稜明】