球界の新様式を探求する随時連載「ミライボール革命」。今回は8月上旬にDeNAが国内初の試みとしてトライアル実施した「バーチャルハマスタ」を特集する。バーチャル空間上に「横浜スタジアム」を構築し、スマートフォンやパソコン、VRデバイスを使っての次世代型スポーツ観戦を提案した。無料開放した初回は、リアル「横浜スタジアム」の収容人数とほぼ同数の延べ3万人を集めた。24日、球団は29日ヤクルト戦での第2回実施を発表した。新たな経営基盤構築へ収益化にも踏み込む。

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8月11日の阪神戦で実施された「バーチャルハマスタ」を現地での通常取材と並行して体験した。まずは外観、ベンチ付近、グラウンドなど再現性の高さに驚く。自分以外の来場者が見えることで、独特の一体感や高揚感も味わえる。中継映像のモニターが小さく感じた。映像が止まったり、画面に表示される応援コメントと映像の時差による「ネタバレ」も気になったが、通信環境の向上などで改善されていくだろう。単体でも楽しめる内容だったが、1人でテレビ観戦しながらサブツールとして同時活用し、離れた仲間同士の連帯感を味わうという利用法も浮かんだ。多くの可能性を感じたバーチャル体験だった。【DeNA担当 鈴木正章】