巨人は9月、67年8月以来球団53年ぶりの月間20勝こそ逃したが、19勝を挙げた。この日の試合前時点で54勝27敗4分けで2位阪神とは12・5ゲーム差を付け優勝マジック22が点灯中。その快進撃を支えているのはブルペン陣と言っても過言ではない。中継ぎ陣の救援防御率3・18はリーグトップで、12球団を見てもソフトバンクに次ぐ2位となっている。

中継ぎ陣に根付いているのは7月10日からのほっともっと神戸での3連戦中に始まったブルペンキャッチボール。その名の通り、ブルペンの傾斜を使って行うキャッチボールで、宮本投手チーフコーチは「ピッチャーは傾斜。平らなところだと踏み出す足が早く着くが、傾斜があるところだと遅く着く」と説明。試合前練習で外野の平らなところでキャッチボールをするのではなく、誰も使っていないブルペンを使って、実際の登板時と同じ感覚で肩をつくるようになった。

同コーチは7月に「宮国なんかは(ブルペンキャッチボールを)やらないと練習が終わった気がしないくらい」と話していた。その言葉通り宮国は8月25日の1軍登録抹消後もジャイアンツ球場で同練習を実施。8月7日に抹消された堀岡もルーティンとして続けてきた。ともに現在は再昇格を果たしブルペン陣の一員となっている。

現在チームは10連戦の3戦目。前日9月30日の広島戦に2番手で登板し、押し出し四球を与えた田中豊に宮本コーチが「(腰の張りで離脱中の)大竹寛ちゃんのポジションを鍵谷と2人でやってもらいたいというのがあった」と言ったように、いわゆる勝ちパターンの投手だけでは勝ちきれない。投手陣が力を合わせ、全員で10連戦を戦い抜く。【久永壮真】