楽天久保裕也投手(40)が7日、今季限りでの現役引退を発表した。オンライン会見を行い「力の衰えを感じましたし、力の限界」と説明。02年ドラフト自由枠で巨人へ入団。15年オフに戦力外となりDeNA、17年にテストで楽天へ移籍した。今季は救援で5試合に登板し1勝0敗1ホールド、防御率13・50。「(楽天で)4年間、思い切り野球を楽しむことができた。18年間野球ができて、本当に幸せでした」とすがすがしい表情で話した。

プロ入り当初は練習嫌いだった。「いかに楽できるか考えていた。だけど内海、山口(鉄也)とか、かわいがっていた後輩に一瞬にして置いていかれた」。転機は2010年。巨人時代の先輩である木村拓也氏が亡くなった。「僕の大きく気持ちが変わった。便利屋の生き方、何でもできることの強みを教えてくれた。野球に真剣に取り組めるようになった」と涙。「やりきったと胸を張って今なら言えます」とぬぐった。

同世代の「松坂世代」で現役を続けるのは西武松坂、ソフトバンク和田のみ。「自分が納得いくまでやってほしい。いつか必ず辞めるときが来ると思う。その時に、お疲れさまと言ってあげたい」とエールを送った。今後はファームのコーチに就任する見込み。同じく今季限りで現役を引退した渡辺直は1軍打撃コーチに専念する予定。

◆久保裕也(くぼ・ゆうや)1980年(昭55)5月23日生まれ、福岡県出身。東海大から02年自由獲得枠で巨人へ入団。1、2年目は主に先発、3年目の05年から救援に定着し64試合に登板。10年にはリーグ最多の79試合に登板した。15年オフに戦力外となりDeNAへ移籍。16年オフに再び戦力外。17年にテスト入団で楽天へ加入。同年に右手指血行障がいの手術を受けた。通算506試合登板で54勝37敗37セーブ113ホールド、防御率3・45。177センチ、78キロ。右投げ右打ち。